名古屋から電車に乗ること40分。多くのVOY生にとって今回継続学習が開催された蒲郡は耳にしたことのない土地だったに違いありません。そんな場所に、しかも3時間という短い講座のために、全国各地から集まった40名を超えるVOY生たち。さすがにマスターも講座冒頭、マットに座した参加者を端から端まで見渡し、驚きと愛情の眼差を一人一人に注いでいらしたのがとても印象的でした。
この日集まったメンバーはWSやTTCで何度も顔を合わせているメンバーばかり。「ヨガの指導者である前にヨガを学び続ける者であれ」というマスターの教えをまさに実践している仲間たちです。この日もそんな継続学習者にとって大切なお話から始まりました。
私たちは「タンブラーの中の水」のお話を知っています。タンブラーの中に汚れた水が入っている限り、いくら新鮮な水をそこに注ごうともその新鮮な水はやはり汚染されてしまう。
先人の教えを正しく学びたければまずは各々の中にあるタンブラーを空にすることから始めなさいと教えられます。
それは難しいことですがマスターのもとで継続的に学んでいるVOY生の中にはしっかり空にでき、正しい教えを受け入れる準備が出来た人もいます。この日マスターは「空にできたとしよう、しかしそのタンブラーを空にしたまま放置していないか?」という問いかけをなさいました。
空にできたことに自己満足して終わっていないか。良いもの、前向きなものを入れていかなければそこには再び良くないものが入って汚れてしまうかもしれない。空にできたという結果を手放し、新鮮な水を注ぎ入れる=良いものを入れていく努力をしていかなくてはいけないのだと説かれたのです。
最後の1時間はマットの上でたっぷり動いたのですが、マスターの目に写る私たちは明らかに体力不足・練習不足、全員が叱られました。マットの上での努力が足りていないのです。タンブラーを空にし、準備が整いましたと言ってそのまま放置している状況がまさに露呈してしまったのです。
マスターは常にその場に集まったメンバーにとって今、必要な教えを一人一人の心に届く言葉で説いてくださります。「適切な場で、適切なタイミングで、適切な言葉で」。さもなくば人の心には届かない、人に行動を起こさせることもできない。これもマスターが繰り返しおっしゃることです。
ヨガを指導する立場にある現役インストラクターが多いVOY生。日頃「先生」と呼ばれている多くのVOY生が、マスターが伝授する古典ヨガを学ぶ「一練習生」として自分の立ち位置を確認し、謙虚にヨガを学び続ける機会が継続学習の場なのだと感じた蒲郡でした。