ヴィジョンオブヨガを受講して~2015広島~⑩

 

ワナカムヨガスクールのワークショップに初めて参加したのは2012年だっただろうか。その後機会を見つけてはワークショップ参加するようになって数年経ち、この度ようやくVOY受講が叶った。幾度ものワークショップ受講中にも「単発のWSと20日間のVOYはある意味では全然違う」と聞いてはいたが、実際のところ全く違っていた。何年もヨガを練習してきて何度も聞いた言葉でもわかっているようで全くわかっていない、深遠な世界がそこに広がっていることを、初めて目の当たりにした気分だ。

数年前のWS初参加当時は、ヨガの練習を始めてもう何年も経っていても自分の練習の仕方が定まらず、どの流派に乗るべきか路頭に迷っていたような時期だった。そんな時に、インドからやってきたヨガマスターのクラスとはどんなものだろうと軽い気持ちで参加した。マスターの繰り出すフローを、まるで子供の頃のように無我夢中で自分の体と空間とを楽しんだことを今でも鮮明に思い出す。どんなシークエンスだとかは全く覚えていない。数年前だから思い出せないのではなく、フロー直後もどんな体の動きだったのかは覚えていないし思い出そうともしていなかった。

そのころの自分は“次のクラスで使うネタ”探しばかりしていたがこの時ばかりはそんなことはどうでもよく“いま自分のやれることはやったのだ”という爽快感が残っているだけだった。

ただ瞬間瞬間に一所懸命取り組むことで得られた爽快感。このような爽快感はスポーツでも得られるだろう。しかし、このヨガとスポーツの間には確かに違いがあるとも感じた。体への負担や、心の軽さなど、スポーツで得られる爽快感達成感とは何かが明らかに違う。それは、それまでの自分のヨガ経験で持っていた表面的なヨガ哲学の知識や、ヨガ的生命科学と関係があるのだろうと予想できたが、それ以上具体的には説明できなかった。

現在の日本ではヨガ哲学講座もたくさんあるし、ヨガ本を読んである程度理解できる人もいるかもしれない。しかし、講義を聞いたり本を読んだりしてわかったつもりになっているのは、ヨガ哲学のほんの入り口、というより表面にしか過ぎないと思う。実際に自分の体で理解するには、インプットとアウトプットを何度も繰り返し、身に染み込む過程が必要だ。それを、このVOYではさせてもらえる。

20日間を経たいま、深遠に広がる世界の入り口に立った気持ちだと先に述べたが、それは実はとてもシンプルなのかもしれないという気もする。やっと入り口にたったいま、自分の取り組むべき課題にひとつひとつ誠実に臨んでいきたいと思う。eriko

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